副業の所得が20万円以下でも、住民税の申告は必要? 会社員向けに整理

運営者:めやす堂 公開日:2026年10月16日 最終更新日:2026年10月16日

副業をしている会社員が迷いやすいのが、「20万円以下なら申告しなくていい」という話です。これは所得税のルールで、住民税には同じ基準がありません。この記事では、2つの違いを一般的な目安として整理します。個別のケースの判断ではなく、考え方の整理です。

結論:所得税の「20万円ルール」と住民税は別の話

つまり、「所得税の申告は不要でも、住民税の申告は必要」という場面があります。

20万円ルールとは

国税庁(タックスアンサー No.1900)では、給与を1か所から受け取っていて、全額が源泉徴収されている人について、次の人が確定申告の対象になる、と案内されています(令和8年4月1日現在の法令等)。

ここで大事なのは、基準が収入ではなく所得だという点です。所得は、一般に「収入から、それを得るためにかかった必要経費を引いた金額」です。副業で10万円の収入があり、必要経費が4万円なら、所得は6万円という考え方になります。

給与を2か所以上から受け取っている場合は、年末調整されなかった給与の収入金額と、給与・退職所得以外の各種の所得金額の合計が20万円を超えるかで見る、と案内されています。

なお、所得税法121条1項に、この20万円の基準の根拠があります。

住民税には20万円の基準がない

住民税の申告義務は、地方税法317条の2第1項に定められています。原則として、毎年3月15日までに、1月1日現在の住所地の市町村に申告する、という仕組みです。

ただし、申告が免除される人は限られています。条文のただし書では、給与の支払を受けていて、前年中に給与所得以外の所得がない人が免除の対象とされています。

そのため、副業が給与以外の所得(たとえば、仕入れて売る転売、ハンドメイド作品の販売、クラウドソーシング、ブログ収益など)だと、このただし書の対象から外れます。なお、自分で使っていた不用品を売っただけの場合は、生活用動産の譲渡として、そもそも課税されない扱いです(貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、1個または1組の価額が30万円を超えるものを除く。国税庁 No.3105)。詳しくは、フリマアプリで売った物は課税される? 生活用品と「30万円」の考え方をご覧ください。川崎市のFAQ「給与以外に副収入がある場合の個人住民税の申告について知りたい。」でも、給与所得以外の所得がある場合には、所得の多寡にかかわらず申告しなければならない、と案内されています。

※ 実際の扱いは、所得の種類や、お住まいの市区町村の運用で異なることがあります。迷うときは、市区町村の住民税の窓口にご確認ください。

副業が給与(アルバイト)の場合

副業が「給与」の形で支払われている場合は、考え方が変わります。所得税では、年末調整されなかった給与の収入金額を含めて、20万円の基準を見ます(上の「給与を2か所以上から受け取っている場合」の考え方です)。

住民税では、給与の支払者が市区町村に給与支払報告書を出す仕組みがあります。

また、地方税法317条の2第1項のただし書では、給与の支払を受けていて、前年中に給与所得以外の所得がない人は、住民税の申告が免除される対象とされています(寄附金税額控除や医療費控除などを受けようとする場合を除く)。

詳しい扱いは、お住まいの市区町村や税務署にご確認ください。

確定申告をした場合は、住民税の申告は原則不要

所得税の確定申告をすると、地方税法317条の3第1項により、確定申告書が提出された日に、住民税の申告書が提出されたものとみなされます(政令で定める場合を除く)。

つまり、20万円を超えて確定申告をした人は、通常、住民税の申告を別に出す必要はありません。20万円以下で確定申告をしなかった人が、住民税の申告を検討する場面が、この記事の主な話題です。

20万円以下でも、確定申告をする方が有利なことがある

一般論として、次のような場合は、20万円以下でも確定申告をすることで、税金が戻る可能性があります。個別の判断は、税務署や税理士にご相談ください。

注意:20万円以下でも確定申告をする場合に、副業の所得をどのように扱うかは、国税庁のページや税務署でご確認ください。医療費控除だけを申告すればよい、という意味ではありません。

手続きと時期の目安

確定申告が必要なときの期間・準備・納付の流れは、副業で確定申告が必要なとき:期間・準備・納付の流れで、住民税の払い方(特別徴収と普通徴収)は、副業の住民税はどう払う? 特別徴収と普通徴収の考え方で整理しています。

目安チェックで確認する

このサイトの目安チェックでは、給与の状況と副業の所得の見込みから、所得税の申告が必要となる目安に当たるかを確認できます。入力した金額は、この端末の中だけで処理されます。個別の税務相談には、お答えできません。

根拠と最終確認日

最終確認日:2026年10月16日。法令は改正されることがあります。

一般的な目安であり、個別の税務相談ではありません。実際の申告の要否や税額は、税務署・お住まいの市区町村にご確認ください。