年末調整で副業はどうなる? 会社員が知っておきたい基本
会社員の副業で、「年末調整をしてもらえば、副業の分もまとめて済むのでは」と思うかもしれません。この記事では、年末調整が何を精算する仕組みなのかと、副業があるときに年末調整だけでは済まない場合があることを、一般的な目安として整理します。個別のケースの判断ではなく、考え方の整理です。
結論:年末調整は「勤務先の給与の分」の精算。副業の所得は別に確認が必要な場合がある
- 年末調整は、給与から毎月差し引かれた所得税の合計額と、その人が1年間に納めるべき所得税の額との差額を精算する手続きです。
- 年末調整で精算されるのは、年末調整を行う勤務先の給与についてです。副業の分(給与で受け取る場合も、それ以外の場合も)は、その中に入っていません。
- 副業の所得が一定額を超えるときなどは、年末調整とは別に、確定申告が必要になる場合があります。
年末調整とは
国税庁(タックスアンサー No.2665)では、年末調整を、役員または使用人に対する毎月の給与等から源泉徴収をした所得税および復興特別所得税の合計額と、その人が1年間に納めるべき所得税および復興特別所得税の額との差額を精算するもの、と案内しています(令和8年4月1日現在の法令等)。
同じ案内では、年末調整の対象となる人は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を年末調整を行う日までに提出している一定の人、とされています。12月に行う年末調整から除かれる人の例として、1年間に支払うべきことが確定した給与の総額が2,000万円を超える人などが挙げられています。
つまり、年末調整は、その申告書を提出している勤務先で行われるものです。
給与を2か所以上から受けているとき
アルバイトなど、副業も「給与」の形で受け取っている場合は、扱いが変わります。
国税庁(No.2520)では、2か所以上から給与を受けている人の源泉徴収は、給与が「主たる給与」か「従たる給与」かで異なると案内しています。
- 主たる給与:「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人に支払う給与。源泉徴収税額は税額表の甲欄で求めます。
- 従たる給与:主たる給与の支払者以外の給与の支払者が支払う給与。源泉徴収税額は税額表の乙欄で求めます。
同じ案内には、「原則として従たる給与については年末調整できません」とあり、所得者本人が確定申告をして所得税などの精算を行う必要がある、とされています。
つまり、副業が給与でも、その分は年末調整で精算されない場合があります。
ただし、確定申告が必要かどうかは、別の基準で決まります。国税庁(No.1900)では、2か所以上から給与を受けている人は、年末調整されなかった給与の収入金額と、給与・退職所得以外の各種の所得金額との合計額が20万円を超える場合などが対象、と案内されています。給与は「収入金額」、それ以外は「所得金額」で数える点に注意してください。
給与以外の副業(業務委託・物販など)のとき
副業が給与ではなく、業務委託や物販などによる収入の場合、その所得は勤務先の年末調整の中に入りません。
確定申告が必要になるかどうかは、収入から必要経費を引いた「所得金額」が20万円を超えるかなどで目安が変わります。20万円のルールと住民税との違いは、副業の所得が20万円以下でも、住民税の申告は必要?で整理しています。
注意:この記事だけでは分からないこと
- 自分が年末調整の対象か、副業が「従たる給与」にあたるかは、個々の状況で変わります。勤務先の経理担当や税務署にご確認ください。
- 年末調整で使う書類の名称や提出時期は、勤務先の案内に従ってください。
- 勤務先にどう伝わるかは、この記事では断定しません。
確定申告が必要なときの流れ
確定申告の期間・準備・納付の流れは、副業で確定申告が必要なとき:期間・準備・納付の流れをご覧ください。住民税の払い方(特別徴収と普通徴収)は、副業の住民税はどう払う?で整理しています。
目安チェックで確認する
目安チェックでは、副業の所得の見込みから、所得税の申告が必要となる目安に当たるかを確認できます。入力した金額は、この端末の中だけで処理されます。個別の税務相談には、お答えできません。
根拠と最終確認日
- 国税庁 タックスアンサー No.2665「年末調整の対象となる人」、No.2520「2か所以上から給与をもらっている人の源泉徴収」、No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」
最終確認日:2026年10月23日。法令は改正されることがあります。
一般的な目安であり、個別の税務相談ではありません。実際の申告の要否や税額は、税務署・お住まいの市区町村にご確認ください。